ロンドン消息 2021

ロンドンで1年間暮らします

出国篇3 水際措置への対応

2021年2月15日より、日本から英国に入国する際の水際措置が強化され、入国者には「10日間の自己隔離」と「自己隔離期間中の2日目と8日目のPCR検査の受検」が求められることになった。また、渡航前には、①渡航前72時間以内にPCR検査を受けて英文の陰性証明書を入手しておくこと、②GOV.UKのサイトから隔離期間中に実施するための検査パッケージを予約すること、③渡航前48時間以内にGOV.UKのサイトで隔離場所に関する詳細情報の書式(passenger locator form)を記入すること、が必要になった。

この基本の水際措置に加えて、「10日間の自己隔離」に関してはオプションとして「Test to Release制度」が導入されていて、隔離開始から5日目に、隔離を早期終了することができるかをチェックする検査を受けることができる。この検査の結果が陰性ならば、自己隔離は10日間を経ずに終了となる。 

詳細については在英日本大使館のウェブサイト「日本からイングランドに入国する際の新たな水際措置について」(https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00222.html)を参照されたい。

この条件を満たすためには、出国前に手順を踏んだ準備が必要となる。不可逆的に進んでいき、その都度、決断に迫られるため、決断力と思い切りの良さが試される。決して後ろを振り返ってはいけない。まず、ネットで出国72時間以内のPCR検査の受検と英文の陰性証明を入手することができるクリニックを調べて予約する。ネットを見るとPCR検査には様々な価格帯があるようだったが、「出国3日前に検査」→「2日前に証明書発行」というスケジュールが守られ、かつ、英国政府が求める項目をすべて満たした陰性証明書を得られることが確実そうなクリニックを選び、決定する。ここで合計44,000円(消費税込み)、高額ではあるが、安心を優先する。次に、GOV.UKのウェブサイトから、「10日間の自己隔離」に行う2回のPCR検査キットを予約。クレジットカード支払いで210ポンド(32,000円程度)。予約が完了すると、登録したメールアドレスに予約IDと領収書のPDFが送られてくる。ところで、この予約フォーマットには、「Test to Release」について予約済の場合の記入欄があったので、まず「Test to Release」の検査をすることに決定し、予約を行った。そして、GOV.UKのPCR検査の予約を完了させた。 

「Test to Release」の検査予約に際しては、GOV.UKのサイトにリストアップされたクリニックのいずれかのウェブサイトに行き、そのサイトに予約しなければならない。リストの中から滞在先住所に近そうなクリニックを選んで予約。その際、結果の通知をいつ受け取るかについて選択肢があり、決定を迫られた。検査当日に結果の通知が来るという最も高い価格のサービスが付いた検査を選ぶ。料金は199ポンド。「Test to Release」は追加オプションなので、必要がないなら利用しなくてもよく、その分の料金はかからない。英国への旅とは、進むごとに料金の支払額の選択肢が現れ、多めに支払うことによって自由への道が拡大されていくというゲームだということに、そろそろ気付き始めたのであった。