ロンドン消息 2021

ロンドンで1年間暮らします

シラー・カンパニュラータ

4月28日(水)、曇りから雨。さらさらした雨が降ったりやんだり、時に強くなったりする。傘をささずに歩ける降り方である。日が出ないので体感温度も低い。暗い空の一日である。

 

灼熱の太陽の場所ではシャドウ(影)が際立つが、ロンドンの光はシェイド(日陰)を作る。

シェイドを大切にしているためか、ロンドンでは、街路樹の下のちょっとした日陰の場所でもシェードガーデンになって植物が茂っている。4月の初頭に至る所に咲いていた黄色いラッパスイセンはシェイドで咲く花だった。春先の弱い日差しと日陰の中で、ラッパスイセンの黄金色が光を放っていた。ラッパスイセンの花の季節も終わり、今、あちこちの日陰に咲いているのがシラー・カンパニュラータである。ヒヤシンスに似ているが、花が少なくて釣り鐘型に下がっている。時々、白い花も見かけるものの、圧倒的に青い花が多い。バス停の横にも、軒先の庭にも至る所に植えられている。

 

英国の春の名所として、森林の中で一面に咲くブルーベルの花の景色があるという。英国では森は貴重な特別な場所なので、ブルーベルの花もめったに見ることができない。シラー・カンパニュラータの青い花は、森の木陰のブルーベルを思わせる花のようである。

 

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シラー・カンパニュラータ