ロンドン消息 2021

ロンドンで1年間暮らします

出国篇2 荷物の準備

一年間の滞在となると荷物も多くなる。大きなトランクを二つ準備したものの、まず海外小包で荷物を送ることを決意する。ヤマト運輸の留学宅急便、日本郵便の国際郵便のどちらにするか、また、国際郵便にした場合はEMS便か国際小包のどちらか、さらに国際小包の場合には航空便・エコノミー航空便・船便と選択肢があり、選択肢に関する情報量の多さに疲れ果てつつ、「最速」で到着するというEMS便を選んだ。

EMS便は「長さ」1.5mまで、かつ、「長さ」+「胴回り」3mまで、重さは30㎏までの箱を送れるということなので、丈夫な段ボール箱をネットで購入。サイズは縦50㎝メートル+横57㎝+高さ45㎝。丈夫な布製のガムテープも入手。箱を組み立てたものの、中に何を入れるかで悩む。箱を発送するには、「送り状」と税関用の「インボイス」の二種類を作成しなければならず、「インボイス」には品物の英語名と、個数、重さを記入することになっている。考えた末、重い専門書(Academic book)、文庫本(Paperback book)、資料(Documents)や、かさばるブーツ(Boots)やスニーカー(Sneakers)、ワンピース(Dress)などの衣類を、家にあった体重計にいちいち載せて重量を測定。箱に目一杯詰め込んだ所、合計重量が26㎏を超えた。きっちり蓋をしめてガムテームで厳重に封印。箱の上下、周囲をガムテープでぐるぐる巻きにして補強。

必要な書類は「国際郵便マイページサービス」に登録して作成。またしてもサイトの情報量が膨大で「マイページサービス」の使い方を理解するのに苦労する。「送り状」と「インボイス」を入れるためのパウチが必要であることはすぐに分かったので、近所の郵便局に出向いた。するとパウチと一緒に「マイページサービス」の利用方法の説明書きをもらった。ウェブサイト上だと次の画面がどうなっているのか進んでみないと分からないが、説明書きでは一枚の紙の上でサイトの展開が示されている。それを読んで全体の流れをつかんだ。その後、サイト上で試行錯誤を繰り返し、最後に「送り状」を作成すると一緒に「インボイス」までも出来上がるということが分かり、大変便利なシステムであることを理解した。印刷が重要で、同じ内容のものを複数回印刷することはできないようになっている。そのため印刷に失敗すると一から記入をしなくてはならないのが注意点である。

ネットで集荷依頼をして箱を取りに来てもらった。その際に重さを計ると26.5㎏。送料は38,700円となった。箱は月曜日の昼に出発し、金曜日の午後にロンドンの指定の住所に到着した。出国前に渡航先の住所が決まっていて、そこに受取人がいる場合には、EMS便は追跡も簡単で安心できるシステムである。渡航して当面はホテルに滞在という場合は、発送者が渡航先に到着してから荷物を受け取る仕組みになっているヤマト運輸の留学宅急便が便利だと思う。 

発送した荷物が届いたという知らせをもらい、箱が届いたなら人間も行けるな・・・という漠然とした確信が生まれた。コロナ禍を経てもなお、東京―ロンドン間の流通システムは稼働していたのだった。