ロンドン消息 2021

ロンドンで1年間暮らします

八重桜

4月19日、月曜日。今日も晴天である。モクレンの季節は終わって、八重桜が満開に近づいてきた。

 

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パーパスビルドフラット(マンション)に咲く八重桜

 

この辺りの住宅は、通りに面して前庭と入口があり、建物の奥に庭があるという作りになっている。通りから奥の庭は見えないが、かなり奥行がある様子。前庭にもガーデニングが施されていて、色々な植物が寄せ植えされている。桜やモクレン、八重桜など大きなシンボルツリーを前庭に植えている家も多い。住宅街には、何軒も横につながっている「テラスドハウス」や、一軒を左右に分けて二世帯にした「セミデタッチドハウス」が並ぶ。縦割りの住宅だと思いきや、扉にはいくつもベルが付いていたりして、建物の内部はさらに複数に区切られているようだ。「コンバージョンフラット」と言うらしい。外から見る限りでは、内部がどのように分けられているか想像がつかない。一戸建てという概念とは全く住宅様式である。

 

住宅については個人所有という概念も日本とは異なっていて、所有者が勝手に植木を切ったり建物のデザインを変えたりすることはできないらしい。その結果、昔ながらの広々とした敷地と庭、大きな植木が残り、全体として調和の取れた住宅地の景観が保たれることになる。しかし、逆に言うと、所収者が自分の住宅を思う通りのデザインにすることが難しいため、自分自身で手を入れることの可能な箇所を楽しむことになる。それが、インテリアやガーデニングのようである。前庭は、芝生だったり石が敷かれていたり、鉢植えが並んだりと住人の好みで様々に飾られていて、通る人の目を楽しませている。

 

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とあるお宅の前庭にはパンダの飾り付けが